dLINKbRING powered by Rogi073
サイト内検索
2008/07/07

脱皮

 華々しく走り抜けようとする。どこかにたどり着きますようにと。いや、そんなことも願っていなかったように思う。走るしかないと、いや、それほどでもない、ただ、走っていただけ。そのような修正に育てられたからなのか、遺伝子に組み込まれた生き残るための能力だったはずの物なのだろうか、そこに、道らしき物があれば、いや、道らしき物がなかったとしても、その先に目標のような物をぶら下げられたならば、そうしないではいられないと。
 しかし、たどり着けるわけではない。いや、むしろ、たどり着くことの方がしばしばかもしれない。ただ、たどりついたとしても、そこに思ったほどの物があるわけではないと、いや、むしろ何かを期待していたわけでもないのだから、結果として当然と言えば当然かもしれないが。では、走っている過程が正しかっただろうかと。その過程に何かを見いだしていただろうかと。結局たどり着いた後に、見た景色が何かというと、そして、その道すがらの光景を振り向いたときには。
 虚しさに、そして、わめくのか。何かが、バラバラに壊れていくのを感じる。もう一度、拾い集める。いや、もう、拾い集めない方がいいのかもしれない。むしろ、壊れた後に依然として残っている固まりを核として、再び構成した方が、いいのかもしれない。わめくほどのことでもないし、慌てる必要もない。むしろ、待つべき時なのかもしれない。走ることしかできない習性をこれ以上伸ばしても、意味がないことは、既に十分すぎるほど照明されているようにも思う。
 止まる。じっと考える。そして、うろうろとする。方向を見定めないままに。何かを顧みることも、もう、これ以上しない方がいいだろう。崩れ落ちた物を放置して、そのまま、目印をつけることはしないで、動き始める。もう、ここには戻る必要はないのだから。多くの物を捨て去った。確かに、今までは十分に役に立っていた物かもしれない。しかし、もうこれ以上は必要はない物だと。不安に、勝てるだろうか。放置したその場所を、思わず振り返ろうとしてしまう。しかし、もはや振り返ってみたところで、その場所が一体何処であったのかさえ、はっきりしないのだから、止めた方がいい。ただ、何処へともなく動いていく。
 残存しようとする物を、振り切ることは出来ないとしても、なるべく無視するようにして、そして、それでも残存している核だけを信頼して、動く。そう、そして、結局また、走り始めることになるのだろうと、わずかに心の中で理解しながら、今はそれを否定して、立ち止まってみる。核の中に集まりくる何かが、あるのではないかと。いや、それとも、それも依然として、甘すぎる夢想なのだろうか。もっと、捨て去らなければならないのか、無から空へと向かうために、いや、向かうべきなのか。
 荒廃した大地が、それが、今ここなのか、それとも、それほどでもないのだろうか。議論すべきはむしろ、この場を荒廃した大地として捉えるのか、否かと言うだけで、確かに、相対的にしか物事は判断できないのだから。だから、今は一時的に停止させた状態を利用して、その判断を下すしかない。そして、この大地に対して、これから取るべき対応を見いだしていくしかないのだろうと。
 そして、きっとまた走り始める、次は一体どの荒廃に向かって走っていくのかは知らないし、今度は何かがあるのかもしれない、いや、今までだって十分にあったのかもしれない。相対的に見れば、過去に比べて、今ほどすばらしい時間は無いような気もする、必要以上の欲求に支配されないでいることが出来るのであれば。だから、異なるスタートとして走るはじめることが出来るかもしれない。いずれにせよ、習性であるのだから。

Bookmarks

Google Search

AMAZON Search

Google Recommends


dLINKbRING powered by Rogi073
Creative Commons License

このサイト(http://www.dlinkbring.com以下のサイト)掲載データのうち、APIなどにより取得されたデータ以外のサイト作者による記事は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。

Valid CSS!