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Mars Volta の待望の2009年新作 邦題「八面体」は、Octahedron 。
そのタイトルが示すが故といっていいのか、8曲構成のアルバム。前作までに徐々に極めていった大混沌な世界から、そこを超越してしまったというのが、今回の作品のような気がする。
全体的には、混沌を極めていくような展開は、影を潜め気味で、もともと持っていたメロディの良さの要素に洗練がかかっている印象。そういう意味では、聴きやすい要素も増えていて、曲構成も明確にサビを認識しやすい曲が多い。
瞬間的にスピード感や混沌感をみせるのだけれども、全体的にはバラッドな印象が強い作品。時にオーケストレーションを感じさせるキーボードワークによる楽曲もあるなど、往年のプログレ的な要素を感じさせる部分が増えている。
例えば、4曲目の "with twilight as my guide" などは、Cedric のボーカルと Omar のアコースティックなギターが浮遊感のあるバックサウンドに浮かび上がるサウンドで、混沌とはむしろ対極にあるような、天上世界のようなサウンドにしあがっている。この曲なんかは、正に Omar と Cedric による二人のためのサウンドともとれる。
一方で、元々の混沌としたアンサンブル自身が重奏的なサウンドではあったのだけれども、全体的が少しクリアになったが故に、むしろその重奏的な部分が明確に感じられるようになっている様にも思う。いつものように、良くこれでちゃんと歌えるよなって思わせるボーカルラインとインストゥルメンタルラインの並列世界であるとか、インストでも楽器同士の分離したメロディーラインが同時に展開されていて、Mars Volta サウンドの重奏性がより感じ取りやすくなっているところもある。
なんというのか、元から Mars Volta のサウンドって、米英的なそれではなくて、土着感の強い、そして、どこか古代的な印象で、それが古くさいのではなくて、洗練されて聞こえるというそういうサウンドの印象が強く、それに混沌が加わって、不思議な世界になっていたんだが、ここではその混沌の部分が薄まっているために、異文化的な印象の強いサウンドがむしろ際立ってきたというのがこの新作のイメージだと思う。これ、じわじわと抜け出せなくなってくるサウンドタイプで、そういう意味ではエモ的な気もする。
とはいっても、前作に比べての混沌が薄まっていると言うだけなので、それでもなお、存分に混沌としていて、そこの部分の面白さが減ってしまっているわけではなくて、サウンドの面白さが際立っているというそんなアルバムです。
これ、結構ハマルと嵌りすぎるという予感です。
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- Disc Review
- Octahedron (2009) : Studio,CD
- The Bedlam in Goliath (2008) : Studio,CD
- Amputechture (2006) : Studio,CD
- Frances the Mute (2005) : Studio,CD
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