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アフリカ 動きだす9億人市場

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0.はじめに

ヴィジャイ・マハジャンという人の書いた、「アフリカ 動きだす9億人市場」は、アフリカを援助すべき土地としてではなく、ビジネスの土地として取り上げて、マーケティング的な視点から捉えたアフリカを紹介するビジネス書籍。

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1.新たな場所アフリカ

アフリカというと、我々は、野生の大陸という事以外では、あまりいい印象をもっていないのではないだろうか。貧困と紛争の末に、常に難民が発生し、そして、病気と飢餓と犯罪と政治腐敗などマイナス面のイメージが強い様に思う。そして、その大地は、ビジネスの場所というよりは、むしろ援助すべき場所であり、ビジネスとはほど遠い場所どころか、そこに援助ではなくてビジネスを考えるなんて、むしろ不道徳ではないかとさえ思うかもしれない。

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2.ビジネスの地

しかし、そのイメージを大きく変えてくれるのがこの書籍。昨今では、BRICsの躍動から、特に中国、インド関連の市場としての分析本は多くあるけれども、アフリカについては、特にビジネスの観点からの書籍はあまり見られない。また、私自身も丁度、中国やインドではなくて、アフリカが先んじて突入していくべき場所ではないかという漠然とした思いを抱いていたので、渡りに船という感じでこの本を手にした。

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3.希望の地

まずは、この書籍のなんと言ってもすばらしいのは、アフリカを施しの大地として扱っていないこと。勿論、ビジネスという物には、特に金融危機以降悪いイメージがつきまとい、逆にボランティアには特に日本では阪神大震災以降美しきイメージがくっついている。

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4.ビジネスの地

しかし、ボランティアは時に、さらなる発展を阻害してしまい、援助を受ける人の自立を阻んでしまうこともある。逆にビジネスは金銭をもたらして、そして、生活の改善を直接的に生み出す。この書籍では、このビジネスと、ボランティアのもつ善悪両面をも捉えながら、最終的には、この二つをうまく使い分けることを推奨しているようにも捉える事が出来る。

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5.適切な情報

そして、この書籍は、当然しっかりとしたマーケティングを知っている人が書いているだけのことはあって、しかりとしたデータに基づいている。その持つ説得力はかなり強いのだけれども、それ以上にここに書かれていることの説得力を強めているのは、それは多くの情報が現地の現場を感じさせるそれであるというところ。そう、確かに、あまたで考えることは重要だろう。それがもたらす物を否定する気はない。しかし、物事は現実で役立たなければ何も意味をなさない。存在は、他者との関連をもって初めて存在になる。ここには、そういった現地感覚も感じられるので、説得力がある。まぁ、勿論、そんなことを言う私自身は、アフリカには一度も足を踏み入れたことはないので、偉そうなことは言えないけれども。

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6.伸び上がるエリア

私自身が感じた、この書物に書かれている中で特にアフリカのその進展を感じさせる物は何かというと、人口ピラミッド。そう、先進国をはじめとして、中国ですら既に高齢化が既に問題になっているか、もしくは、問題になりつつある。一方で、アフリカは、それとは全く正反対で、若年層が多くを占めている。もちろん、これは、前述の負の側面である、戦争や虐殺、平均寿命の短さやエイズの問題にもよるところはあり、単純に読み取ることは出来ないだろうことは理解する。しかし、若年層は、特に紛争の後に生まれた若年層は、そこに溜まった膿に感情をゆがめることなく邁進する力を有している可能性が高いと思う。

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7.富裕層から

そして、アフリカにも、富裕層はいる。そして、頂点のみならずその次の層もそこにあるということ、これが重要だと思う。一部の搾取射的な富裕層のみでできあがっている市場を対象にしているのではなくて、そこにできあがりつつある一般の人々の市場がそこには既にあると言うこと。そして、ここを中心として、産業が進みつつあるように思う。

それは、様々な側面から勃興が起こっているとここには記述されている。それは、生活必需品にはじまり、携帯電話、清涼飲料水、そこから、映画や衣服、観光まで。こう言っては、なんだが、持たざる者であった、アフリカの人々が持てる者へと変化しつつあり、そして、持てる者がいることで産業が成り立ち、そして、持てる者になるというその循環、それは、日本で起こっている事の逆のようでもある。

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8.通信革命

そして、注目すべきは通信。それは、むしろ、既存の通信網が無いということがむしろ功を奏して、有線電話網ではなくて、直接的に携帯電話が広まっているということ。そして、場所によっては、無線LAN環境まで整ってしまっているという。そう、レガシーなものが存在しないことがいいということもある。

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9.かえってくる

そして、アフリカを支える別の力として紹介されているのが、かつては、留学などの形態で、アフリカから外に出た人々が、多くのものを手にして、アフリカに戻ってきていると言うこと、もしくは、少なくとも金銭や情報などをアフリカに供給しているということ。新しい血が一度外に出ることで洗練されて、そして、またアフリカに戻っているらしい。先進国であるが故に引きこもりになっている日本とは違う。

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10.援助とビジネス

他にも、いろいろな事が書かれていて、非常に興味深く読むことが出来た。そして、現在のところのアフリカはというと、恐らく、援助とビジネスという事なのだと思う。アフリカに進出しているいくつかの企業は、ビジネスを行いながら、一方で援助も行っている。この二つが渾然一体となり、援助により生活を安定させた人々が、そして、新しい知識を得た人々が、今度は消費者になると言うこと、さらには、従業員になるということ。ただ与えると言うことは、時に、日本のODAのように、結局数年経つと機能しなくなってしまったりする。しかし、良くも悪くもビジネスの下心があれば、それを長らえようと努力する。勿論そこをビジネスが焼き畑のようにしてしまう場合もあるだろうから、善意だけを信じてはいけないとは思うが。

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11.新興市場

そして、個人的に思うのはこの新興市場は、ひょっとすると、インドや中国の新興企業にとっては、いい市場かもしれないということ。彼らは安い製品をつくり、ここに投入する。そして、基盤を作ると共に、市場の知識も手にする。一方で、日本は、高価格商品をここには投入することは出来なくて、そして、いつの間にか実力をつけた新興企業に呑み込まれてしまう。それがどれぐらい先のことなのかはというところはあるだろうけれども、少なくとも、性能の良さが市場を勝ち取るという思想だけでは、これからはも通用しないようにも思う。

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12.アフリカ

金融危機が見せつけた負の側面はあるものの、私自身も結局多くのことを解決するのは経済であるということには、一面の真実はあると思っている。お金が全てではないが、お金は無でもない。多くの紛争も経済発展によって、収まるとも思っている。それは、別の意味で言うと自立するには経済力が必要であると言うことでもある。その意味では、紛争の絶えないアフリカを救うのは自身の力で経済を揺り動かして、自立することにしかないのではとも思う。ボノの活動は偉大だと思うが、そろそろそういう時代ではなくなっていて、産業の復興を促すべき時なのかもしれない、天然資源だけではなくて。

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13.マーケット本としても

というところで、注目すべき大陸アフリカをいつもとは違う側面で捉える事の出来る面白い書籍だと思う。で、そればかりではなくて、市場をどう捉えるのか、そして、そこにどう入り込んでいくのかということもこの書籍からは感じ取ることが出来るので、マーケティング本としても秀逸な書籍だと思うので、その側面からも楽しめる。

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14.忍耐

しかし、もう一つ重要な事があると感じた。それは忍耐であると。とはいうものの、やはり依然としてビジネスとしての環境は、様々な意味で困難な場所であることには変わりないと思うが、しかし、それを乗り越えるのは、忍耐であると。勿論、これはアフリカに限ったことでも、ビジネスに限ったことでもないが。

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  • アフリカ 動きだす9億人市場   (2009) : other,Book
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