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ヘンリー・ミラー

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作家ヘンリー・ミラーは、その作品における表現の自由さとともに、その生活そのものの自由さによっても、その存在感を示している。彼の作品のほとんどは、彼の実体験に基づいたものであるようだが、その作品の中から読みとれる彼の行動や言動からは、あたかも、ドストエフスキーの作品の中に現れる一登場人物であるかのように、豪快で劇的でありながら、かつ、様々な根元的な側面に対する深く斬新な思想を感じ取ることが出来る。正に破天荒という印象であるが、それ故に、革新的な作品を生み出したともいえる。

水声社よりヘンリー・ミラーコレクションとして全集が発刊中のはずであるが、第5巻以降が発売されたという情報を得たことがない。あまりにも売れなくて自然消滅でも指定し待ったのだろうか。心配。</p>

また、文章のみならず、画家としても活動していたようであり、日本でも個展を開いたことがあるようだ。残念ながら、筆者は未だ作品をじっくり見たことはないが、興味深い。

上にも書いたが、彼の作品は、彼の実体験に基づいた内容となっていると思われる。しかし、実体験そのものが破天荒であるが故に、一般に想像されるような体験である日常生活はそこのは描かれておらず、ドストエフスキー作品の登場人物的なものを感じさせる特性を登場人物(つまり、作者その人)が描かれており、様々な街における彼の日常生活とは言い切れない破裂した生活が描かれている。また、その表現様式も、ひたすら(彼の体験した)事象を並べていき、そして、その言葉からの連想のままにさまざまな情景へと文章が飛んで行ってしまっている。故に、起承転結的な展開は全くないと言っていい。つまり、その破滅した生活の中から、人間像をあぶり出しているとそういえる表現である。そのあたりは、ベケット的でもあり、結果的に、ドストエフスキー+ベケットという(あまりに安易な数式表現で恐縮ではあるが)感覚が感じられる。

代表作は、”北回帰線””南回帰線”あたりだろう。このあたりは、文庫本としても入手可能であるので、読み始めはこのあたりからが最もおすすめである。ただ、残念ながらそれほど多くの作品が容易に入手できるという状況でもないようである。

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