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最早、語るまでもないというところではありますが、不条理/カフカ的迷宮という現実を創り上げた作家です。リアリズムで描く全ての作家の根元とも言うべきでしょう。カフカの中に感じる最も不気味な部分というと、仕組まれ切っていない迷宮という現実になるのでしょう。それ故に解くことが非常に困難だという。ただし、誤認してならないところは、カフカがあえてそのように、寓話的に迷宮を作り上げたのではなく、カフカには世界が、その作品が描き出しているまさにそのように、迷宮的に感じ取っていたのであろうということです(私見ですが)。その感覚から作品が出来上がっていると認識すべきでしょう。だから、登場人物達は、その不自然な状況に対しても、過剰な反応は見せず、拒絶するようなこともなく、ただ、必死にその現状を生きていこうとするのみなのです。そして、そのとんでもない状況に対する淡々とした様子こそ、カフカ作品の面白みとも言えるのではないでしょうか。
ここで、安部公房という作家を語るときには必ずといって良いほどカフカが引き合いに出されますが、この辺りの迷宮の描き方の違いが、この両作家の最も大きな違いといえるのかもしれません。それは、それぞれの作家が所属した社会体制の成熟具合とも関連するのかもしれませんが。
作品数は少ないので、とりあえず全て読むべしと言うところでしょう(とりあえず最初の一冊という意味ではやはり『変身』ですね)。更に記すべき事とすれば、この作家の作品は、断片として残されたという事実もあって、同じタイトルでも、構成違いがあります。日本で言うと、白水社から出版された『カフカ全集』は、それまで一般的に日本に出回っている物とは、多少違う構成になっております。その辺りの違いを味わうというのも面白いかと思います。
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