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大型書店でもなかなかその本が販売されていないことから、恐らく日本ではほとんど知られていない作家ではあると思います。内容についても、哲学的といいますか、いわゆる小説/物語の範疇で語られるような物ではありません。

私の印象で言うと、この作家の作品に共通している物、というのか、恐らくこの作家が追い求めた物として、人間の特性という物があるように思われます。唯一の小説”眩暈”についても、その中にあらわれる登場人物は非常に限られてますが、その中に現れる人間の特性というのは非常に多岐に渡っております。

この作家の作品は非常に捉えにくいものではありますが、私は、とりあえず、このことを一つの突破口として捉えております。

小説はわずか一編を残すのみ。その他戯曲、自叙伝、断想、戯曲、論文、といった著作があります。

中でも”断想”は、この作家を理解する上で、最も重要な作品といえるかもしれません。アフォリズムによる様々な表現は、我々の理解を遠く超えたところにあるようにも思われますが、手元に置いて、何度も読み返すに好適な物です。何れにせよこの作家の作品は難解を極めております。その中では、断想を集めた物である「蝿の苦しみ」を真っ先におすすめします。”断想”と名付けられているいわばアフォリズム集ですが、とりあえず、この作品に触れて脳みそを掻き回されてください。

  • Book Review
  • 群衆と権力   (1960) : philosophy,Book
  • 眩暈   (1935) : novel,Book
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